法面工事

法面工事

法枠工

がけ地や切土法面の防災対策として、多くの場所で取り入れられている工法です。特長として、凹凸の多い斜面でも地山に密着させて施工が可能です。金網の型枠を法面に据付け、その内側に鉄筋を配筋し、吹付機によってモルタルを吹付して法枠を造成します。表層風化防止、岩盤剥離防止、表層崩壊防止のほか、緑化基礎工としての機能があります。また、ロックボルト工やアンカー工の支承構造物として使用されます。
地山の凹凸に沿って、簡易法枠を組立てモルタル吹付後、枠内に生育基盤材を吹付けることで、長期的に安定した緑化を図ります。写真の現場は、法面下部に、植生の繁茂による視距の閉塞を解消するため、2mの丸太伏工を施工することによって、景観の向上を図りました。

モルタル吹付工

岩肌の法面保護や被覆など、法面表面の風化、崩落防止、浮石の固定、小規模な落石防止を目的とした工法です。主に、緑化が困難な急勾配法面に施工します。法面の整形、清掃を行い、ラス金網を張り、その上にモルタルコンクリートを吹付します。その後、吹付機にセメント洗砂、水を投入し撹拌装置内で均等に練り混ぜ、コンプレッサーの圧縮空気で搬送して吹付を行います。吹付面には適宜水抜きパイプの設置を行います。

植生マット工

繊維ネットに肥料袋、不織布、種子シートを装着した植生マットを法面に展開、アンカーピンで固定し緑化を図ります。通常I:0.8より緩い勾配かつ土壌硬化指数27mm未満の法面に適用します。合成繊維やヤシ繊維等のネットに植生基材、肥料、種子等を封入し、基材袋の間隔を小さく装着した厚みのあるマットの場合は、植生基材吹付工と同等の緑化効果が期待できます。写真の現場は、肥料袋I=40cmピッチ(奥側)、I=80cmピッチを併用しています。

緑化工

植生基材吹付

軟岩部や土砂部の自然植生が困難な場所に施工する工法です。法面に金網を設置し、圧縮空気により有機基材を3~10cm吹付けを行い、植物の生育基盤を造成します。地山の状態や降水量、法面勾配や導入植物等を検討し、吹付厚を決定します。種子の配合については導入樹種、発生期待本数、播種量等を加味して決定します。急斜地の自然生態系の保全、周辺環境との調和、景観の改善に貢献します。法枠工の枠内に施工する事例も多数あります。

緑化工

客土吹付

法面勾配1:08より緩勾配で、土壌硬度27mm未満の肥料分の少ない土砂や礫質土を緑化する工法です。通常、盛土法面で多く採用されています。写真の施工場所は、コンクリートブロック積の盛土部の施工事例です。施工方法は、バーグ・黒ボク・ピート等を主体とした緑化基盤材に肥料・種子を混合した高粘度のスラリー状材料を合わせ、ポンプ圧送によって厚さ数mm~3cm程度吹き乗せて完成させます。

緑化工

種子吹付

植生による法面保護工のひとつで、種子や肥料などを混合し、圧縮空気により法面に吹付けする工法です。吹付け後、種子が発芽・成育すると法面を保護します。高所や勾配のある法面に適しており、広範囲での施工が可能です。法面緑化のなかで、最も簡易かつ経済的な工法です。種子・高度化成肥料・木質繊維(ファイバー)・水・接合剤等をタンクに投入撹拌し、圧縮空気を併用した吹付車のホース部分を延ばして、均一に吹付けます。

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